2018年2月8日 更新

伊豆に来るお客様にお土産でも喜んで頂くために。「みやがわ物産」 宮川潤さん

伊豆にくるお客様が喜ばれるお土産は何か。 これを模索し続ける伊東 みやがわ物産 宮川 潤さんにお話を伺いました。

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【自己紹介】

静岡県伊東市出身で、2代目として先代の事業を継承する形で20年前に伊東に戻ってきました。伊東に戻ってくるまでは、呉服の販売をしておりました。会社の事業が商品の卸ですので、モノを売るということは少なからず活きているのかもしれません。お陰様で伊豆半島を商圏として、旅館様や売店様など、60社近くの企業様とお取引をしています。創業当初は塩干品のみを扱っていたのですが、現在はより静岡、伊豆の色の強い商品を中心に50近い商品を取りそろえております。ここでは、皆様が当たり前のように目にする売店商品の裏側と、その中で特にお勧めする「生しらす佃煮」、「七彩昆布」の紹介をさせて頂きます。

【商品が棚に並ぶまでの裏側~私が商品に出会うまで~】

どこかに観光をされたとき、必ずと言っていいほど、お土産を目にするかと思います。
そのお土産一つ一つに、そこにある理由があります。当然ですが、どんなにいい商品でも、お店の人がその商品を置きたいと思わなければ、そこにはありません。そして、私の仕事は、商品の良さを旅館や売店などのお店の方にお伝えすること。そのためには、私自身が商品を知らなければなりません。とはいいましても、全国津々浦々、数えきれないほどの商品がございます。その中で「これは!」という商品を発掘するために、FOODEXジャパンなどの展示会に足を運ぶ数には拘っています。県内にいろいろなメーカーがありますが、それを東京の展示会で知ることもしばしば。その後メーカーさんへの訪問や畑などの産地に出向き、商品に対する理解を深めていきます。

【コーヒーブレイク ~生しらすの佃煮発掘の裏側~】

 人気商品の一つ、「生しらすの佃煮」。この商品との最初の出会いは、銀行主催の展示会でした。まず試食をしてみて、通常のしらすのちりめんと一味異なることが明白でした。メーカーさんに話を聞いてみると、会社が伊豆の蒲原、珠洲港近くにあり、漁港からの近さを活かし、生のしらすを干すことなく、生のまま佃煮にしているとのことでした。通常のしらすの佃煮、ちりめんは、煮崩れしないように、一度干してからちりめんにします。よくよく見てみると、しらすの前に「生」がついており、この「生」が通常のしらすのちりめんとは全く異なる、しらすの柔らかさを実現していたのです。その後現地に出向いてみると、漁港と目と鼻の先でした。メーカーさんが自らの特徴を最大限活かしたとても素晴らしい商品だと再認識しました。

生しらす佃煮セット | izumi-lu

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生しらすを佃煮にした人気商品です。伊豆の蒲原、珠洲港近くで作っており、漁港からの近さを活かし、生のしらすを干すことなく、生のまま佃煮にしています。通常のしらすの佃煮は、煮崩れしないように、一度干してからちりめんにします。この「生」が通常のしらすのちりめん...

【商品が棚に並ぶまでの裏側~販売店様が商品に出会うまで~】

そして「これは!」という商品を発掘した後は、それを販売店様にお伝えするフェーズに入ります。旅館様の売店をイメージしてみてください。売店がメインの商売ではないため、販売するスペースが普通の売店よりも限られております。もちろん売れる可能性が低い商品は置けません。しかし、どんなに美味しい商品でも、美味しいだけでは売れません。お客様に手に取っていただくためには、パッケージのデザイン、それ自体の大きさ、配置する場所など様々なことを工夫しなければならないのです。いまでこそ数多くの旅館様や販売店様で取り扱っていただいている「七彩昆布」ですが、当初は全く売れませんでした。下の会話のように旅館様と工夫を重ね、今では「家庭で旅館のことを思い出す商品」として、ご好評を頂いています。
旅館社長「宮川さん。この七彩昆布、とても美味しいんだけど、全く売れないから、他の商品に変えてくれないかな。」

私   「たしかに、他の商品に比べ、売れ行きが悪いですね・・ 近々お客様が売店で買い物をされる様子をみさせていただいてもよろしいですか?」

旅館社長「あまり変わらないと思うけどな。明日か明後日来てみて、意見を聞かせてよ。」

旅館社長「どうだった?」

私   「まず、他の商品に比べて、圧倒的に手に取られる回数が少ないですね。ちょっとおしゃれに、伊豆っぽくパッケージのデザインをかえてみましょうか?」
旅館社長:「それはぜひお願いしたいな。あと、値段が上がってもいいから、もう少し大きいパッケージにして欲しいな。」

私   「私からも一つお願いがあります。朝食にこの七彩昆布を少しでもお出しいただくことはできませんでしょうか?」

旅館社長「献立ができているから、中々難しいな。それで売れるようになりそうなの?」

私   「はい。私はそう確信しています。この商品は、昆布をベースにいか、わかめ、ごまなど、7つの味が詰まっています。ご飯にかけて食べると、どの具材が多いかによって、毎回味が変わります。この一口ごとに変わる味をご家庭でお楽しみいただけること、いわばご飯をおかずにしてしまうことがこの商品の魅力なんです。この商品の本当の良さを分かっていただくには、食べていただき、味の変化を体験していただくことが不可欠なんです。」

旅館社長「そこまでいうなら、料理長に相談してみるよ。」

私   「いかがでしたか?」

旅館社長「発注書でわかるでしょ 笑 大好評だよ。ご自宅でお召し上がりになられて、うちの朝食を思い出したっておっしゃって、2か月後また宿泊のご予約をいただいたよ。」

七彩昆布 | izumi-lu

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昆布にいか、鱈や干しえび、わかめ、更に、いりごま、梅ごま、あおさのりを香り付けに加え、色どり豊かな珍味として仕上げました。ご飯にかけて食べると、どの具材が多いかによって、毎回味が変わります。この一口ごとに変わる味をご家庭でお楽しみいただけること、いわばご...
 伊東に戻ってきた当初の自分と今の自分を比べてみると、自分の意見をより伝えられるようになってきたのかと思います。自分がいいと思うものを、相手側にもいいと思ってもらえる割合が増えてきました。これがこの商売のやりがいであり、楽しさです。商売柄お客様が商品を手に取られて、口にされて喜ばれる姿をみることは中々できません。しかし、発注書や納品書を見て、商品が喜ばれている姿を想像することはしばしばあります。今後は、より「静岡」、「伊豆」にこだわり、素晴らしい商品を模索し続けます。

次の語り手の紹介

同じ伊東氏の三浦水産さんが新しい商品を開発したそうです。
そちらもぜひ、ご覧くださいませ。
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